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支援プログラム未公表減算|15%減を止めるのは公表ではなく届出

支援プログラムは作った。ホームページにも載せた。それなのに減算の対象だと言われた——この減算でつまずく事業所は、ほぼ同じところで止まっています。減算の引き金になっているのは、公表ではありません。都道府県への届出です。

この記事では、留意事項通知が何を見て減算を判定しているのか、支援プログラムに何を書けばよいのか、そして保育所等訪問支援がなぜ対象外なのかを、条文と原文つきで整理します。

支援プログラム未公表減算を止めるのは、公表ではなく都道府県への届出

支援プログラム未公表減算という名前からは、公表さえすれば終わるように読めます。ところが留意事項通知が減算の条件として書いているのは、そこではありません。支援プログラムの公表について都道府県に届出がされていない場合に減算する、と定めています。

公表と届出は別の行為です。事業所のホームページに掲載するのが公表、その公表方法と公表内容を指定を受けた自治体へ出すのが届出。前者だけでは減算は止まりません。

支援プログラムをめぐる3段階を左から右へ並べた図。①支援プログラムを作る、②ホームページ等で公表する、③公表方法及び公表内容を都道府県に届け出る、の順に進む。②と③の間に「ここが減算の分かれ目」と書かれた縦の破線があり、②で止まっている状態が支援プログラム未公表減算(届出がされていない月から解消された月まで、障害児全員が所定単位数の85/100)にあたること、③まで済んで初めて減算が止まることを示している
②で止まっている状態が減算です。破線より右に渡って初めて止まります。
注意

公表で完了したと思い込みやすい3つの状態

・ホームページの下層ページに支援プログラムのPDFを掲載したが、自治体へは何も出していない

・新規指定のときに書類一式を出したつもりでいたが、支援プログラムの公表状況に関する届出書が束に入っていなかった

・支援プログラムの中身を差し替えたのに、公表内容として届け出たURLは古いページのまま

どれも事業所側から見れば公表は済んでいます。欠けているのは届出という一手だけ。

根拠となる条文と通知、減算率と対象サービス

支援プログラムの作成・公表義務は、指定通所基準 第26条の2に置かれています。放課後等デイサービスは第71条、居宅訪問型児童発達支援は第71条の14で準用されるため、内容は共通です。

保育所等訪問支援だけは事情が違います。第79条が第26条の2を準用していません。 準用されていないため作成義務も公表義務もなく、この減算の対象にもなりません。訪問支援の事業所に支援プログラムの作成を促している解説を見かけますが、条文をたどると根拠がありません。

支援プログラム未公表減算の適用

項目内容
減算率所定単位数の85/100(15%減)
適用する単位事業所を利用する障害児全員
効く期間届出がされていない月から、その状態が解消されるに至った月まで
対象となるサービス児童発達支援・放課後等デイサービス・居宅訪問型児童発達支援
対象外のサービス保育所等訪問支援(第79条が第26条の2を準用していないため)
根拠条文指定通所基準 第26条の2(放課後等デイサービスは第71条、居宅訪問型児童発達支援は第71条の14で準用)
補足

85/100を掛ける相手は、加算前の基本報酬

所定単位数とは、各種加算を足す前の基本報酬を指します。加算を含めた合計額に減算率を掛けるのではありません。

複数の減算事由に同時に該当した場合は、それぞれの減算割合を乗じます(留意事項通知(13))。片方だけが適用されるわけではないため、15%減と1%減が並行することもあります。他の減算も含めた一覧は放課後等デイサービス・児童発達支援の減算一覧と減算率にまとめました。

制度の開始当初には猶予がありました。令和6年内閣府令第5号 附則第6条により、令和7年3月31日までは努力義務。令和7年4月1日から減算が適用されています。 猶予が終わったことに気づかないまま、届出を出していない事業所が残っています。

この章の根拠(出典)

支援プログラムに書く12項目と、そのまま使える文例

届け出る前に、届け出る中身が要ります。支援プログラムの記載必須項目は次の12。

  1. 事業所名
  2. 作成年月日
  3. 法人(事業所)理念
  4. 支援方針
  5. 営業時間
  6. 送迎実施の有無
  7. 本人支援の内容と5領域の関連性
  8. 家族支援(きょうだい支援を含む)の内容
  9. 移行支援の内容
  10. 地域支援・地域連携の内容
  11. 職員の質の向上に資する取組
  12. 主な行事等

①から⑥は、重要事項説明書や運営規程から転記できます。手が止まるのは⑦から先。事業所の実態に置き換えて使える形で載せます。

記載必須12項目を1枚の様式に並べた図。上段が事業所における基本情報として①事業所名②作成年月日③法人(事業所)理念④支援方針⑤営業時間⑥送迎実施の有無、下段が支援内容として⑦本人支援の内容と5領域の関連性⑧家族支援(きょうだい支援を含む)の内容⑨移行支援の内容⑩地域支援・地域連携の内容⑪職員の質の向上に資する取組⑫主な行事等。⑦は健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性の5領域ごとに、⑧は個別面談、日々の情報共有、保護者向け勉強会、きょうだい支援の4場面ごとに記入例が入っている
12項目を1枚に並べた例です。①〜⑥は転記で埋まり、書き分けが要るのは⑦から先になります。

⑦本人支援の内容と5領域の関連性

5領域とは、健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性の5つ。個別支援計画では子ども1人ごとに書きますが、支援プログラムで書くのは事業所として何をしているかです。子どもごとの書き方は個別支援計画の書き方・項目別の文例にまとめてあります。

文例

⑦本人支援の内容と5領域の関連性(児童発達支援・定員10名の事業所の例)

健康・生活/登所後の健康観察、着替え、排泄、水分補給を毎日同じ手順で行い、生活リズムの安定と身辺自立につなげます。

運動・感覚/粗大運動のサーキットを週2回、微細運動の課題活動を週2回設定し、姿勢の保持と手指の操作性を育てます。感覚の過敏さには、刺激量を調整した別室で対応します。

認知・行動/絵カードとスケジュールボードで1日の流れを示し、活動の見通しを持てるようにします。切り替えが難しい場面では、終わりを予告してから移行する手順を全職員で統一します。

言語・コミュニケーション/要求を伝える手段を子どもごとに決め、言葉・カード・身振りのいずれでも伝わる経験を1日に複数回積めるようにします。

人間関係・社会性/2〜3名の小集団活動を1日1回設定し、順番を待つ場面と物の貸し借りが起きる場面を意図的に作ります。

書き方の要点は、領域名を並べて終わりにしないこと。頻度(週2回、1日1回)と手段(絵カード、サーキット、別室)まで書くと、事業所が実際に何をしているかが読み手に伝わります。

⑧家族支援(きょうだい支援を含む)の内容

書くのは、家族に対して事業所が用意している場面とその頻度。きょうだい支援を含むと項目名に明示されているため、きょうだいの行を独立させると漏れません。

文例

⑧家族支援(きょうだい支援を含む)の内容

個別面談/利用開始時と個別支援計画の見直し時に保護者と面談し、家庭での困りごとを聞き取ったうえで、事業所の支援内容とすり合わせます。

日々の情報共有/送迎時と連絡帳で、その日の様子と、家庭でも試せる関わり方を具体的に伝えます。

保護者向け勉強会/年2回、発達の特性と家庭での関わり方をテーマに開催します。

きょうだい支援/保護者面談や行事にきょうだいが同席できるようにし、待つ場所と過ごし方をあらかじめ用意します。

書き方の要点は、相談に応じますという一文で済ませないこと。場面・頻度・誰が対応するかまで書くと、公表された文書として読める内容になります。

支援プログラムも個別支援計画も、5領域から組み立てます。

支援プログラム未公表減算で間違えやすい点

公表と届出

ありがちな対応

支援プログラムを作成し、事業所のホームページに掲載した。掲載日も記録してある。

留意事項通知(8の2)⑤が減算の条件としているのは、都道府県に届出がされていないことです。公表は届出の前提ですが、公表だけでは要件を満たしません。

こうしておく

公表したうえで、公表方法と公表内容(掲載したページのURL)を届出書に書き、指定を受けた自治体へ提出した。

届け出るのは支援プログラム本体ではなく、公表方法と公表内容です。大阪府・東京都の届出書は、どちらもURLを書く欄になっています。

届出書の提出先

ありがちな対応

東京都の指定を受けている事業所なので、届出書を都庁の担当課へ送った。

東京都の書式ライブラリーは、支援プログラムの公表状況に関する届出書の提出先を東京都福祉保健財団と案内しています。都の指定事務受託先で、都庁とは窓口が別です。

こうしておく

指定を受けた自治体のページで、提出先・提出方法・添付書類の3つを確認してから出した。

3つとも自治体ごとに違います。愛知県は電子申請システム以外を原則受け付けません。

支援プログラムの届出 — 自治体による違い(2026年9月時点で確認できたもの)

自治体提出先・提出方法支援プログラム本体の提出
大阪府大阪府行政オンラインシステムによる電子申請不要。公表状況の届出書1枚のみ
東京都(都本体)東京都福祉保健財団へ提出不要
愛知県愛知県電子申請・届出システムのみ。メール・FAX・郵送は原則不可不要と明記されている
名古屋市独自の届出様式なし。市の情報サイトへの掲載依頼をもって市への報告とみなす掲載依頼という形で実質的に提出
東京都内の児童相談所設置区(板橋区・品川区)郵送・窓口・メールのいずれか変更届出書・届出書とあわせて本体まで提出
注意

既存事業所向けの一斉届出の期限は、どの自治体でも経過している

既存事業所向けの期限は、大阪府が令和7年3月31日、愛知県が令和7年1月31日でした。現在はどの自治体も、新規指定時に指定申請書類とあわせて提出する形が基本になっています。

確認した5自治体のいずれにも、期限を過ぎた事業所向けの救済手続は書かれていませんでした。出していないことに今気づいた場合は、指定を受けた自治体へ直接確認してください。

自己評価結果等未公表減算と取り違えない

減算率はどちらも所定単位数の85/100、届出先もどちらも都道府県。名前も似ています。それでも要件と期限が別の制度です。

支援プログラム未公表減算と自己評価結果等未公表減算の違い

比べる点支援プログラム未公表減算自己評価結果等未公表減算
根拠条文指定通所基準 第26条の2指定通所基準 第26条第7項
実施の頻度明示の規定は確認できていないおおむね1年に1回以上
届出の回数原則1回。内容が変われば出し直す毎年繰り返す
保育所等訪問支援対象外令和7年4月から対象(訪問先施設評価が加わる)
居宅訪問型児童発達支援対象対象外

毎年やり直す必要があるのは自己評価のほうです。期限の数え方も自治体で型が分かれます。詳しくは自己評価結果等未公表減算|年1回の公表と都道府県への届出で扱っています。

見直しの頻度は、国が数字で決めていない

支援プログラムは年1回見直すもの、と書かれた解説を見かけます。その根拠を一次資料で確認しようとしましたが、年◯回見直すという明示の規定は見つかりませんでした。 児童発達支援ガイドラインが、内容に変更があった場合は速やかに変更後の支援プログラムを公表することが望ましい、としているだけです。

補足

根拠のないことは、根拠がないものとして扱う

見直しをしていないこと自体を減算の要件とする規定は、確認できていません。毎年の作り直しを義務と思い込む必要はありません。

ただし内容が変わったときは別です。届け出た公表内容はURLであることが多く、掲載を差し替えて中身が変わったのに届出が古いままだと、届け出た内容と実際の公表内容がずれます。法人理念・支援方針・営業時間・送迎の有無を変えたときは、公表と届出の両方を見直してください。

届出が済んでいることを、あとから示せるようにする

届出は一度出したら終わりになりやすく、担当者が代わると経緯をたどれなくなります。次の3つを1か所に残しておくと、運営指導でも体制届の記入でも迷いません。

  • 届出書を提出した日と、提出先(都道府県か、市か、受託している財団か)
  • 届出書に書いた公表内容(公表しているページのURL)と、公表の実施時期
  • 支援プログラムを差し替えた日と、そのときに届出をやり直したかどうか

体制等状況一覧表には支援プログラム未公表減算の欄があり、東京都・大阪府・大阪市の様式で確認できています。減算のなし・ありを事業所が申告する建て付けなので、届出を出したかどうかを事業所側が把握していないと、この欄を正しく書けません。

この章の根拠(出典)
  • 児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)支援プログラムの公表についてPDF。見直しの頻度を年◯回と定めた規定は、一次資料の範囲では確認できていない

    内容に変更があった場合は、速やかに変更後の支援プログラムを公表することが望ましい
  • 指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第26条第7項(自己評価結果等の公表)支援プログラムの第26条の2とは別の条文。自己評価は毎年繰り返す

    指定児童発達支援事業者は、おおむね一年に一回以上、自己評価及び保護者評価並びに前項に規定する改善の内容を、保護者に示すとともに、インターネットの利用その他の方法により公表しなければならない。
  • 大阪府「支援プログラムの公表状況に関する届出」既存事業所向けの一斉届出の期限。令和6年10月1日以降に指定を受ける事業所は新規指定時に提出

    3.提出期限 令和7年3月31日/公表及び届出がされていない場合は、令和7年4月1日以降に【支援プログラム未公表減算】が適用されます/5.提出方法 大阪府行政オンラインシステム(インターネット申請)により受付します。
  • 愛知県「支援プログラムの作成及び公表について」届出は愛知県電子申請・届出システムのみ。多機能型はサービス種別ごとに支援プログラムの作成が必要とされている

    支援プログラムの本県への提出は不要です。
  • 板橋区「障害児通所支援事業所の支援プログラムについて」児童相談所設置区は本体まで提出させる運用がある(品川区でも同様の記載を確認)

    区への届出にあたっては、下記の(1)~(3)の書類をご用意ください。(1)変更届出書(2)支援プログラムの公表状況に関する届出書(3)事業所で作成、公表した支援プログラム

よくある質問

Q.

ホームページで公表していれば、届出をしていなくても減算にはなりませんか。

A.

なります。留意事項通知(8の2)⑤が減算の条件としているのは、支援プログラムの公表について都道府県に届出がされていないことです。公表は届出の前提であって、公表それ自体が減算を止めるわけではありません。

Q.

減算はいつからいつまで続きますか。

A.

届出がされていない月から、その状態が解消されるに至った月までです。障害児全員について所定単位数の85/100になります。個別支援計画未作成減算のように解消した月の前月まで、ではありません。

Q.

保育所等訪問支援も支援プログラムを作る必要がありますか。

A.

この減算の対象外です。支援プログラムの根拠である指定通所基準 第26条の2を、保育所等訪問支援の第79条が準用していないためで、作成義務も公表義務もありません。ただし自己評価結果等未公表減算のほうは令和7年4月から対象になっています。

Q.

届出のときに支援プログラム本体も提出しますか。

A.

自治体によります。大阪府・東京都(都本体)・愛知県は公表状況の届出書のみで、本体の提出を求めていません。一方、東京都内の児童相談所設置区には、変更届出書と届出書に加えて本体まで提出させる区があります。指定を受けた自治体のページで確認してください。

Q.

支援プログラムは何年かごとに作り直す必要がありますか。

A.

年◯回、何年ごとという明示の規定は確認できていません。児童発達支援ガイドラインが、内容に変更があった場合は速やかに変更後の支援プログラムを公表することが望ましいとしているだけです。内容を変えたときは、公表とあわせて届出もやり直すことになります。

Q.

多機能型の事業所は、サービスごとに作るのですか。

A.

愛知県は、多機能型の場合はサービス種別ごとに支援プログラムの作成が必要と案内しています。届出書は1枚でよいが単位分けをしている場合は単位ごとに作成する、とも書かれています。これを国の規定として定めた記述は確認していないため、指定を受けた自治体の案内に従ってください。

届出が済んでいるかどうかを、事業所として1か所で持つ

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この記事が参考にした資料(一次資料)

執筆:OHANA AI 編集部(株式会社Cocowa)

最終更新

本記事は制度の一般的な考え方を整理したものです。様式や運用の細部は自治体によって異なる場合があります。最終的な取扱いは、指定を受けている自治体の通知および窓口の指示をご確認ください。

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